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About kilnerキルナ―とは

1926年 ロンドンでのエキシビジョン 画像

英国生まれのキャニスター

1840年代にジョン・キルナーによってはじめて開発されたキルナージャーは、以来150年以上もの間、多くの人に愛用されてきました。
キルナーの代名詞ともいえる機能的な蓋のデザインは、改良を重ねつつ密封性が追求されています。イギリス中の家庭で、果物や野菜の漬け込み・保存に役立っています。

ジョン・キルナーとその孫 画像

キルナーの歴史

最初のキルナージャーは英国デューズバリーの街に位置するキルナー・グラス・ワークスにて1840年代にジョン・キルナーにより発明されました。

1886年キルナー家は第二のガラス工場をコニスブロー(ドンヴァレイ)に開設しました。この工場はジョン・キルナーの孫であるカレブ・キルナーとその従弟のキルナー・ベイトソンにより運営され、創業時70人の従業員から始まり、その後500名の従業員を雇用するまでに成長しました。
カレブ・キルナーはコニスブロー工場の経営者を務める一方で、 ヨークシャーガラスボトル製造協会の会長(後に副会長)を兼任し、ナショナルガラスボトル製造者協会にも従事していました。

1862年にはロンドン万国博覧会にてキルナーの工場のひとつが英国のガラスメーカーで唯一メダルを受賞しました。更に、1870~80年代にはパリ、フィラデルフィア、シドニーそしてメルボルンにおける名立たる万国博覧会にてメダルや賞を獲得するに至りました。

2000年にはRayware Group社に加わり、現在まで愛され続けてきたキルナーブランドの発展に貢献しています。

長い歴史の中でキルナージャーのデザインは初期の伝統的なものとは変わっていますが、基本的な信念は創業時より変わっていません。
最初のキルナージャーはガラス製の蓋を金属製のスクリューバンドで閉める構造になっていましたが、その後レッド、オレンジ、ブラウンなどの色付きのプラスチック蓋“レッドトップ(Ravenhead Red Top)”の登場で金属製のスクリューパンドは姿を消します。
現在、キルナージャーにはガラス製の蓋と密封用のゴムパッキンを組み合わせた「クリップトップ タイプ」と、金属製ディスクとスクリューバンドを組み合わせたタイプの「プリザーブジャー タイプ」の2タイプのジャーが定番となっています。

今日にいたるまでキルナーは保存の同義語として認識され、150年もの長きに渡り愛され続けてきました。

old kilner jar 画像

保存の歴史

缶詰や調理された食品が冷蔵棚に並ぶ24時間営業の店が出現するまでは、食材を在庫する方法は家庭内で保存するしかありませんでした。

果物に乏しい厳しい冬を越すため果物をジャムとして備蓄する方法を初めて記したのがローマ人でした。ローマ帝国の没落以降、ジャムの製造は中東より十字軍が帰還するまでは確認されませんでした。
ジャムは最初蜂蜜などの甘味料を使って作られていましたが、英国の植民地より砂糖が輸入されるようになると、砂糖に変わるようになりました。ジャムの製造は西洋から始まりましたが、チャツネは東洋のインドより伝わりました。ジャムは砂糖からできるのに対してチャツネは塩、ビネガー、砂糖、ミックススパイスから作られます。
英国の伝統的な香辛料ピカリリーのレシピはインディアンピックルあるいはインディアンピカリッロとして知られていた1747年までさかのぼります。

ジャムとチャツネを作る際共通の問題とされていたのがどのように貯蔵するかです。貯蔵された保存食を無駄にしないため、容器は気密性が高い事が条件でした。
しかし、コルクをしたり、ワックスを使って封をしたりするなど様々な試みがなされましたが、そのどれも良い結果をもたらすことができませんでした。19世紀半ば頃にカレブ・キルナーによりきせ金 (Glass plugとliner)が発案されるまでは有効で安全な保存方法は存在しなかったのです。

食物が不足することもなくなり、1950年代から食物が大量生産されるようになると、家庭で食物を保存する伝統は職人や地方の農家に限られるようになってきましたが、この10年の間私たちは口にするものがどこでどのように生産され環境にどのような影響を与えるのか、より意識するようになり、ピクルスを作ることや保存する習慣は復活しつつあります。
家庭菜園などで自ら果物や野菜を栽培することが盛んになり、余ったものを保存し貯蔵する習慣が復活すると、保存食ブームは国中で急速に広がりました。

オーガニックジャム、ピクルス、チャツネなどに特化し成長市場であるギフトビジネスに進出する中小企業も出現し、生きるための手段であった保存は、価値のある余暇の過ごし方へと変わりました。
カレブ・キルナーのシンプルな保存するためのアイディアは100年にわたって革新的な食の保存に貢献し、今日にいたるまで保存において中心的な役割を果たしています。